最近のことを少し 2012年2月

2月11-12日に日本オリエンテーリング協会のコントローラ講習会に参加してきた。コントローラとは他のスポーツで言えば公式審判のような存在だろうか。厳密には競技に関する問題は裁定委員という競技者やコーチから選ばれた人がジャッジするのでコントローラは審判ではない。競技が公平に実施されているかをコントロールする人、のことである。
例えば先述の裁定委員選出についても、あるチームからだけ選ぶなど偏ったことをすると問題があるので、問題ない人選が行われているかを監督するのはコントローラの役目。またオリエンテーリングはともすれば宝探し的な要素が強調されがちだが、競技として実施される場合はそういった運不運を排除して、地図からしっかりナビゲーションすれば目的地に到達でき、よいナビゲーションをした人がよいタイムを出せるようにされている。それを達成するには地図の表現やコースの設定がルールに則って用意されていないといけない。それらを主催団体の役員とは別に第三者の目として監督するのもコントローラの役割。
講習を受けて、これまであいまいだったルールを確認し直せた。コースコンセプトを理解していれば対策もしやすくなるし、万が一、自分に不利益があった場合に冷静に対処ができるようになるので、競技者としても受ける価値のある講習だと思う。といっても誰でも受けられるものではないので要注意。
ところで僕の中で印象に残っている裁定が1つある。2006年にデンマークで開催された世界選手権、スプリント予選でのこと。
ある国の選手が競技中に駐車場に停めてあった自動車が動き出しそれが原因で何秒かロスした。そのため予選15位に入れず決勝に進出できなかった、事前の競技案内では競技エリア内では交通規制が行われているとある、自分は決勝に進めるよう扱われるべきだ、というクレームを出した。そしてそれが認められてその選手は追加で決勝に進んだ。当時ボーダー直下の16位だった僕も同じようなクレームを出せば決勝に行けたのではないかなと思ったものだ。
しかしこの判断であれば、例えばレース途中に強風が吹いて地図に記載のない倒木が道を塞いだ、だからタイムが悪くなったのだ、というのだって論理的にはOKである。もっと極端に言えば、強風が吹いたからタイムが悪かった、というのだって強引に捉えればOKになりかねない。デンマークの例では、人が操る自動車だったからこういう裁定になったのだろうけど、オリエンテーリングは森林、荒野、市街地とフィールドを問わずに行うスポーツである。その地表で営まれている人文事象も含めて、オリエンテーリングは大きな意味での自然の中で行われるスポーツであるという認識を忘れてはいけない。もし裁定委員やコントローラを仰せつかったときには、コントロールできない自然の中で人の作ったルールで競技をしている、というスタンスで臨みたい。
2月19日は御殿場で早大OC大会。早稲田大学オリエンテーリングクラブ主催の伝統ある大会の1つである。今冬の鍛練期終盤のレースとあって疲労は溜まっている。技術的にもまだ基礎練習にしか取り組んでいないので、パフォーマンスが高いとは思っていないかった。他のトップ選手も同じような状況なので、結果的にはトップとあまり差のないタイムとなった。相対的なパフォーマンスはもっと悪いと思っていたので、春に行われる国内選手権に向けてはよい自信になった。しかし夏の世界戦に向けてはもうちょっと誰か飛び抜けていないとまずくないかい、という気もしている。さて、他力本願ではいけない。春の国内選手権ではそういったパフォーマンスが出せるようにシェイプアップしていきたい。
ところでこの大会、スタート地区で運営者とその知り合いとみられる参加者たちが和気あいあいと盛り上がっていた。大会役員は例え家族でも必要なこと以外は会話を慎め、と言われてきた者としては、この緊張感のなさに少し唖然とした。もちろんちょっとしたイベントや初心者を迎え入れる場合にはそういう雰囲気も必要だろうとは思うのだけど、今回の大会コンセプトには合っていなかったように思う。そういうのが堅苦しいと感じる人もいれば、内輪で盛り上がっているね、と捉える人もいる。みなさんはどう感じただろうか。いろんな立場で考えておくことが大切だろう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA