sisu~フィンランドへ~

4年ぶりに森と湖の国へ
9月7日から14日まで1週間フィンランドへ行ってきた。フィンランドへ行くのは4年ぶり。目的は来年の世界選手権対策のトレーニングキャンプ(トレキャン)である。主催者公認のトレーニングマップ・コースが公開されるため、各国チームがこの1週間、開催地Vuokatti(ブオカッティ)に滞在する。日本からの参加は僕と早稲田大学の学生でもある尾崎選手と2人だけであった。
尾崎選手はその1週間前から北欧を転戦するワールドカップに参戦、そこで仲良くなったスイスチームのメンバーと交渉し、2人でスイスのトレキャンに参加できるようになった。海外のトレキャンで難しいのは、現地情報を仕入れ、適切なトレーニングマップ・コースを選ぶこと、そこでどんなルートが一番早いかを適切に考えることであるが、世界トップのスイスチームはそのへんの情報は当然揃えていて、彼らの行く場所でトレーニングするだけでもとても有意義であったが、さらに彼らと一緒に走ったり、ルートについて話したりすることもでき、久しぶりに成果のあるトレキャンになった。
事前に頼んでおいたとは言え尾崎選手の交渉がなければこう上手くはいかなかっただろう。彼は中学生の頃からオリエンテーリングをしており、キャリアはすでに10年ちかい。ジュニアやユニバーシアードの代表にも何度も選ばれており海外経験も豊富だ。フィンランドでも大学2年生とは思えないようなよい走りを見せることもあった。来年は北欧留学を予定しているそうで、オリエンテーリングもライフスタイルもどっぷり北欧漬けになるという。これからの活躍を注目したい選手の1人。
ブオカッティはずいぶんとのんびりとした町だ。高さ200mもない小さな丘があり、といっても周囲100km以上見渡せそうなくらい平らな地方なのでずいぶん大きく感じる、その丘を中心にスキー施設が整備されている。ノルディックスキーの世界では有名な場所のようでワールドカップも何度か開催していてスキーのジャンプ台が何本も立っていた。そのスキー客向けに作られたスポーツ施設に泊まったが、ここもなかなかよい場所で、うまいご飯を3食しっかり食べることができ、フィンランドサウナももちろん堪能できる。
そんなテレイン・マップやコース、宿泊施設についてレポートをまとめてみた。来年を目指している人はもちろん、海外のオリエンテーリングに興味がある人、フィンランドが好きな人はぜひ。
2012年9月フィンランドトレーニングキャンプ覚書(PDF 7.5MB)
ところでスイスチームのトレキャンにはいわゆる専任のコーチは来ておらず、選手同士でケアをしあっていた。メニューやコース自体はコーチたちが組んでいるが、設置が必要な場合は交代でやっているようだし、レンタカーも選手たちで運用していた。また僕らだけではなく、オーストリアやベルギーの選手たちも混ざってやっていて、撤収を彼らに任せることもあった。強豪国といえども決して万全ではない環境のなかで選手たちは強くなることを目指してがんばっている。僕らにはもっとできることがあるのではないかと思う。
特に感慨深かったのはマティアス・メルツがチームを引っ張っていたことだ。若いマティアス・キュボルツやマーティン・フブマンたちの面倒をみ、ときには悪ふざけを諭すことも言っている(気がする)。5年前、チェコのトレキャンで彼らとちょっとだけ一緒にやらせてもらったことがあったが、そのときはマーティン兄のダニエルたちと一緒になって悪さをする側だったのに、すっかり大人の選手になっていた。この5年で僕はどう変わっただろうか?競技成績だけではなく、人としても彼らと競い合っているのかもしれないと思うと、何かがメラメラと燃えてきた。
さて、タイトルにしているsisu(シス)とはフィンランド語でフィンランド人の屈強な心意気を意味する。日本語にするなら【気合い】とか【根性】というのがよい意訳だろうか。来年の世界選手権は7月上旬。そこに向けた取り組みについて時々報告していきたいと思う。
オリエンテーリング世界選手権WOC2013:http://www.woc2013.fi
スキージャンプ台と尾崎i
▲スキージャンプ台からワールドカップレースを始める尾崎
20120924_middle
▲ミドル・リレーテレインはフィンランドらしいブルーベリーと岩盤の森
20120924_long
▲一転、ロングはフラットで砂ぽい走りやすい森。ただしブルーべーリー畑であることに変わりはない。

sisu~フィンランドへ~」への2件のフィードバック

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  2. TN

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