sisu~フィンランドへ~ 代表選考会

僕がはじめて世界選手権の選考会に出られたのは、ちょうど10年前、24歳の春、2003年スイス大会の選考会だった。2年に1度の世界選手権最後の年。どんな選考基準だったかはよく覚えていないが、愛知の世界選手権向けトレーニングマップとして先行オープンされた水別で予選・決勝方式のショートディスタンスの選考会があった。
当時は村越さん、鹿島田さんの2大エースに、脂の乗ってきた松澤さんが加わり、僕の少し上の大助さんや善徳さん、紺野さんが次世代のエースとして成長を期待されていた。僕らの世代はまだまだ若造で、まだ見ぬ世界選手権という舞台への好奇心と、先輩たちをあっと言わせてやろうという野心とを胸に、選考会に参加した。とにかく攻めてやろうと、自分の実力もよく把握しないままいつも以上のスピードで走り、あっさり自滅した。
あれから10年。日曜日の選考レースは当時と同じような荒削りで、散々なものになってしまった。しかし同時と違って、今は自分の実力は把握している。それなりの結果を残す走りを選択することはできた。だけど、それでいいのか?
レース前に10年目の選考会であることに気づいて、僕の中にまだ好奇心や野心は残っているのかと自問した。僕が今求めているのは、日本のトップになることではなくて、世界できちんと戦えるようになることだ。決勝の舞台に立つ走りを追求し、そしてみんなをあっと言わせてやりたい。それでダメでも、後悔はしない。なんとなく行って、いつも通りの結果になるよりはずっとすっきりする。
そう覚悟して臨んだレースでの失敗。レース直後は落胆こそすれ、すがすがしい気分ではあった。むしろ気持ちが揺さぶらされたのはその後で、代表に選考されると聞いてからだった。嬉しいという気持ちはほとんどなく、果たしてそれでいいのだろうかという悩みのほうが正直大きかった。いろいろな選択肢が頭をよぎった。世代交代が進むチームにとって、そして一度は覚悟を決めた自分に対して、代表選手として行く資格はあるのか。
最終的には、チームとして最良の結果を出すために必要だと判断されてメンバーに選ばれたのであれば、選手としてエントリーしようと決めた。自らチャンスを断るほど潔い人生を送っているわけでもあるまい。泥臭く這い上がっていくほうが性に合っている。
よくない結果が続くので、状態を心配していただきもした。技術的な細かな話はまた別の機会に触れるとして、フィジカル面のコンディションが悪いわけではなくて、心技体の歯車がうまく噛み合っていない状態がしばらく続いている。6月に北欧3カ国で開催されるワールドカップを転戦するので、北欧のテレインと世界のライバルを相手に、その歯車ががっちり噛み合うよう調整していきたい。
応援はぜひ若い選手へ向けていただきたいですが、長い間ご支援を続けてくださっている方々には笑顔で報告ができるようにしたいです。
World Cup: Nordic Tour (6月1-8日)
World Orienteering Championships  (7月6-14日)
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選考会に出る面子もこの10年ですっかり変わってしまったが、これからも世界を目指す熱い思いは消えることはないだろう
20130424map 5番で現在地を誤認


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