企業研修とオリエンテーリング

先月、企業研修のお仕事をいただいていた。日本オリエンテーリング協会(JOA)が請け負ったものを僕が担当しコーディネートするという内容。
JOAが企業研修という話を聞いたとき、きっと多くの方はグループでの徒歩オリエンテーリング(現代風に言えばロゲイニング)を行ってレクリエーションのようなものをやっているのだろう想像するかもしれない。一昔前(二昔以上前かも)ならそれで受けていたのかもしれないが、費用対効果にシビアになり、また世界で活躍する人材育成に力を入れる企業には、それだけでは満足していただけない時代。コミュニケーションや情報処理能力を問うような様々なプログラムを試行錯誤しながら開発し、年数回やってくる企業からの問い合わせに対応している。プログラムはオリエンテーリングの原型をだいぶ崩しているので、コミュニケーションを問うナビゲーションゲーム、なんてふうに紹介している。
どんなことをやっているかというのはO-Supportのサイトに簡単に説明をしているのでご参考までに。これらの情報、本来はJOAのサイトで展開するべきことなんだろうけど、公益社団法人なだけにいろいろと調整が必要なためとりあえずこちらで展開している。
研修に携わるきっかきについてはずいぶん前にこのブログに書いていた。2007年6月25日の記事、オリエンテーリング研修。その後も同じような問い合わせは続き、今では世界的な大企業を含めて様々な企業で研修を実施している。中には毎年実施してくださり名物研修になっている企業さんもある。
このときの記事では、僕らが培ってきたオリエンテーリングのスキルやノウハウを活かして社会貢献ができ、活動資源も獲得できる、といったことを書いている。その意義は今でも変わらない。また研修ではオリエンテーリングの競技動画を紹介したりもしているので地味ながら普及活動も担っている。
それに加えて最近思うことは、研修を通して人的ネットワークを構築できるメリットがあるということ。人的ネットワークにも2種類あって、一つは外的なもの。単純には企業にオリエンテーリングやJOAの現状を知ってもらえること。それが何かの解決に直接つながることはないかもしれないが、この世の中、いろいろなご縁が複雑に絡み合ってできているものなので、名前や顔を覚えておいていただくことに損はない。また、利用施設とのコネクションができることも見逃せない。オリエンテーリング大会を開きたくてといった話で正面切って施設に交渉へ行くと意外と冷遇されることもある。危ないからとか自然保護の関係もあるので、といった具合に。だけど不思議なもので●●株式会社の研修で使いたい、となると意外とすんなり応じて頂けることもある。その準備を通じて施設の担当者と仲良くなり、オリエンテーリングの意義や本来の姿を知って頂き、将来的には大会やイベントに利用できるようになったりする。
もう一つは内的なネットワーク。研修の実施には各地の都道府県協会やクラブの協力が欠かせない。一方で企業としては、元チャンピオンだとか現役代表と言った講師のステータスも重要となる。そのためJOAから派遣される講師と、地元の人たちが協力しなくては研修は成り立たない。各地の協会やクラブでは全国的には名前を知られていないかもしれないが、長年その地域で活躍してきた人や様々な工夫を凝らした資材を持っていたりする。あるいはこれからそうなっていく若手スタッフが手伝ってくれたりもする。一方、トップ選手というのは自分の所属する組織の中で大抵のことを済ませられてしまうことも多く、意外と狭い世界の中にいる。どっちが良い悪いという話ではない。様々な分野で活躍し、いろいろな経験をしてきた人たちが交流することで、新しいアイデアが生まれて来たりする。
人の交流を促すだけならば研修運営でなくてもよいのかもしれない。だけど僕は研修を通じてここに書いたような動きを実際に見てきて、オリエンテーリングの活性化の1つの手段としてその可能性を感じている。その可能性をより大きくするためには、もっと組織的に動かなくちゃいけないという必要性も感じてきた。研修事業も次のステップに進む時期に来ている。


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