WOC2018 in Latvija ⑦ ロング後半とまとめ

コースは後半。ここまでとは打って変わってタフなレッグが続く。ここからがWOCロングの本番か。

10→11→12
やや長めのレッグが続く。ルートチョイスがありそうと思ったが、「あるのか?」という感じ。大回りになりすぎる。11-12は立入禁止エリアの左を巻く(青)チョイスがあったようだが(トップ選手のタイムはどちらもあまり変わらず)、僕の力量ならこのルート一択だっただろう。

ナビゲーションは問題がなかったが9番でのミスもあってか谷の中で慎重になりすぎている感覚はあった。この2レッグだけで30分。体力的にもきつくなってきており自分でもペースダウンを感じる。

12→13
リレーで見たことのある場所。当初はリレーのルートの逆回り(青)で進むつもりだったが、進み始めてリレーのルート分析を思い出し、南からのアタックに切り替えてしまう。であれば緑ルートでよかった。ルートミスで2分程度のロス。判断力の低下が見られる。

13→14→15
会場を通りもう1ループ。この時点で90分。残りの距離を考えると目標達成が厳しいことに気づく。周囲の応援が「残りもしっかり」的な雰囲気だったので「あまりよい結果ではないのか?」と思ったりする。

コーチングゾーンではコーラや電解質などを補給。1分以上のピットインとなってしまった。その間にモルドバの選手に抜かれる。

写真は公式サイトより photo by WOC2018

15もリレーで使ったようなエリア。先行する選手につられ行き過ぎてしまう。30秒のロス。ルートは悪くないと思っていたがよりまっすぐ進んだ方(青)が早くて簡単であったが読めず。

15→16→17
16は細かな部分でルートチョイスをしなくてはいけなかったのだろうが、そこまで考えられず。ペースを維持するのがやっとの状態であった。

17は真っすぐ(緑)かまわるか。藪の湿地は厳しいことからオープンを回るルートを選択。南周りのルート(青)はまったく見えず。

17→18→19
ルートチョイスはあまりなかったがルートがふらつき始め、何度も軌道修正を求められる。体力が削られ判断力が低下する中で、技術に対する自信を揺さぶってくる。まさにKing of Orienteeringを決めるレースなのだと実感する。19で最後のジェル補給。2時間手前。135分は厳しい。が荒れた展開なら順位のチャンスはまだあるはず?

19→20
ジェルを取りながらルートチョイス検討。左回り(緑)、右回り(青)を考える。左回りの細い尾根①は過去地図ではあまり行きたい感じの場所ではなく、無意識的にルートから外してしまい西周りを選ぶ。11番の北の斜面②を登っているときに「しまった、左の尾根行けるじゃん、そしてアタックも楽ではないか」と気づく。登りのペース低下を考えるとここからでもルート変更はありではないかと思い、実際のルートへ変更。

結果的には最初から東周りを選択するのが正解だっただろう。過去地図に囚われすぎた失敗であった。さらにトップは僕が登った②からまっすぐルート(水色)と知る。確かに距離は短く登りは僕のルートと変わらない。頭に十分血が回らない中で細かなルート検討を要求してくる。

20→21→22
21はつなぎのレッグ?22はわざわざ崖の下だけ立入禁止エリアを抜いているので通れるだろうと選択。しかしトップ選手は崖の上の斜面上を豪快にコンタリング。集中力もいるルート。力の差を感じる。

22→23→24→◎
リレーの最終パートと似たような課題。23は「また登らせるの?今回はちゃんと登ろう」とあっさりルートを決める。しかしトップ選手はヤブの谷の中をガンガン進むルートであった。

24、これまっすぐ行く人行くかね?と思いながらリレーの時と同じルートを選択。しかし優勝したオラフは当たり前にまっすぐであった。恐るべし。

◎いよいよフィニッシュ。リレーの時は流し気味だったフィニッシュレーンを全力で駆け抜ける。意外と走れるな。もっと途中を追い込めたのでは?と思いつつフィニッシュラインを切る。雨が強くなり始めていた。

結果は下表の通り。順位もタイム比も目標に届かなかったし、過去の他人や自分の結果と比較してもあまりよい方だとは言い難い。ロスを削れたと考えたとしてもどんなによくても最大7-8分くらいの短縮で、それでも145%55位前後で目標には及ばない。まったく力不足だったというのが残念だが正直なところなのだろう。

体力面の不足、ルートの揺らぎや細かなロスが多いなど技術が足りていない部分が多かったと感じる。さらにラトビアでのルート研究の積み重ねやこのレベルのコースへの経験が不足していることも大きな要素を占めるだろう。ただ現状で出来ることをしっかり発揮できたことは一定の満足感を与えてくれているし、足りないと分かっていることがそのまま結果になっているなと冷静に受け止めている自分もいる。

望む結果を出すためにやらなければならないことは分かっているが、そこまでコミットできるのかどうかというのが今の僕にとって最大の課題だろう。世界選手権に出ることだけを目標にすることにはもはや意義を感じられない(だったらもっと若い人に行ってほしい)。世界選手権で結果を残せるアプローチができるかどうかを真剣に検討し、それが実行でき、成果を出せれば、再びこの舞台を目標に定めたい。

ところでリレーでもそうだったがコーチングゾーンは意外と重要であると感じた。ロングの場合、特に今回の様に残りの距離がまだある段階で通過するのであればそこでの雰囲気は選手のメンタルに影響するように思う。結果が良い悪いに限らず「いいぞいいぞ、いけるぞー」といったcheerがもっと欲しい。長いレース、観客側はその時点である程度結果が分かってしまっているが、選手は自分の状況はまったく分からない。良いのかもしれないし悪いのかもしれないという不安の中で走っている。よい雰囲気を得られれば残りのパフォーマンスをより高いレベルで保てるだろう。これは来年誰が走るにしてもそうなるようにお願いしておこう。

日本チームとしては日々のトレーニングの改善はもちろんだが、やはり何より海外テレインでの経験、国際レベルのレース経験が減少している点をなんとかしないことには浮上はありえないだろう。この1年のうち1/12をラトビアで過ごしたという寺垣内選手のリレーでのパフォーマンスがそれを証明していると思う。ワールドカップやトレーニングキャンプへの遠征を個人レベルではなくチームレベルで行えるだけの人材(選手、スタッフ)・資金を集められるかどうか、そのあたりをいい加減見直さなくてはいけないだろうし、来年からフォーマットが変わることは動機づけを高めるチャンスなのではないかと思う。チームとしてターゲットとなる大会(年)をもっと明確・明瞭に設定するのはありではないかと思う。


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