田舎の生活その50

2月の家

なんと50回目となったが、特に記念するようなこともなくいつもどおり続けたい。さて、庭の梅も咲き、すっかり春の気配が強くなってきた。

梅咲く

暖かくなると子どもと一緒に散歩に行ける日も増えてくる。で、そういうときはたいてい大井川を見に行く。日によって水の量、流れの速さ、水の色などが違っていて、その変化を見るのが楽しい。子どもも、鳥を見つけたり、石を拾ったり楽しそうにしている。それでふと思い出すことがあった。

大井川を眺める

僕は子どもの頃、瀬戸内のとある島に住んでいた時期があった。今住んでいる場所と同じくらいのんびりしたところだったが、ときどき何をするでもなく、ただ海を眺めているだけの日があった。と言っても子どもの時間感覚だから、実際はたいして長い時間ではなかったのかもしれない。小さな灯台、向こうの島が見える。その間を行きかう船の汽笛。日が傾くと、波に反射する日の光が強くなり、そろそろ帰らなきゃと思う。そんな懐かしい光景が脳裏によみがえってきた。そこから何を学んだとかそういうのでもなく、ただただゆっくりと時間が過ぎるのを待っていたのだと思う。今思えばとても贅沢な時間。

山と海の違いこそあるけれど、この子もこの川を眺め同じような記憶を持つのかもしれない。そう思うと、なんだかわからんが妙に嬉しい気持ちになった。そして再び視線を川に戻す。流れを正面から受け止める岩盤、しぶきをあげて川の中に踏み留まる大きな石、川のふちで削られる河原。おおっ、ゆっくりとではあるがこの瞬間にも新しい地形が生まれている。ますます飽きなくなり、子どものほうが先に帰りたそうな顔になるのだった。

春が近づき、タミもひなたぼっこにますます精が出る。

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