マスターズ遠征1

今夏は世界マスターズオリエンテーリング選手権に参加。マスターズに出なくても他にも出るべき大会はいっぱいあるだろうにという声も実は頂いたけど、参加する意義や目的は年初に書いた通り。というわけでしぶりに遠征日記。

8/4
セントレアからフィンエアーでのフライト。当初の計画では家族を連れていく予定だったが、諸般の事情により1人旅に。隣に妻子がいたらどうなっていただろうかと脳内家族旅行を楽しむ。

まずはヘルシンキへ。3年ぶりのヨーロッパ。かつてあった海外に来たぞというワクワク感はすっかり薄れつつあり、それよりも懐かしさを感じてしまう。ヘルシンキからWMOC開催地エストニアの首都タリンまでは30分弱のフライト。多分過去一番短い空の旅だったと思う。フライトは順調で、レンタカーも借り3年ぶりの左ハンドルMT車にもすんなり馴染む。今回はFIAT Punto。

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旅の途中で1つ問題があることに気づく。それは大会で斡旋していたホテルの予約を翌日8/5からしか取っていなかったこと。ファミリールームからシングルルームに変えてもらう時に日付を間違って伝えてしまっていた。でも連泊できたほうが楽だし、とりあえず空港からも程近い明日から泊まる予定のホテルに向かって今晩も泊まれないか聞いてみる。

すると今日はあいにくいっぱいで、一番いい部屋しかないと言われる。どこか安いホテルを探すのも手だったが、移動の疲れを早く癒したくてそこでお願いする。1ルーム一泊2万円。まぁそうは言ってもスカンジナビアに比べたら安いし、ここ最近仕事ばっかりだった自分へのご褒美だと思いお願いする。寝室が別にあり、サウナ付き、北欧なのにエアコンまであるリッチなお部屋。でもぐったり疲れて寝るだけというもったいない使い方。しかしおかげで安眠を得られた。

8/5
朝、部屋を移動。そして大会のイベントセンターが開くのでさっそく受付へ。これから大きな大会が始まるぞというワクワク感は消えていなくて自分の中でホッとする。

大会受付

大会受付

しかし大会への力の入れようはまさに国を挙げてという印象を受ける。何よりエストニアの人たち優しい。困ったことは言えばきちんと対応してくれ、ホスピタリティを感じる。そのあたり、スタッフ1人1人も国を代表しているという意識があるのかもしれない。家族の宿泊費などの返金も受けられ一安心。

その後は宿からすぐそばのスプリント予選競技エリアの公園を散策。これは競技上許される行為。グーグルマップなどで見ておいたイメージをより具体的なものにする作業。これで地図との対応もばっちり。そのまま近所を散歩して風光明媚なタリンの街を楽しもうと思うも、脳内家族旅行は寂しくなることに気づく。なのですぐに部屋に帰り、ごろごろ身体を休める。それさえも辛くなり、仕事を始める始末。。。

スプリント予選エリア内の庭園

スプリント予選エリア内の庭園

8/6
スプリントのモデルイベント。本番同様の地図が本番そばのエリアに用意され、スタートやフィニッシュ、コントロールフラッグなども本番と同じ仕様で置かれるのでそれをチェックしてレースに向けた準備をする機会。そののため多くの選手が集まるので、ようやく日本から参加する他の皆さんともお会いできる。やはりちょっと安心する。

モデルイベントにて

モデルイベントにて

モデルイベントはタリンの旧市街の北側で行われる。スプリントの決勝は旧市街の真ん中。石畳が走りづらく、明け方は雨が降ることが多く、午前中のレースでは転倒の心配が少しあろうか。地図の見やすさはとてもよいけど、コントロールの位置が嫌らしい植込みの内側or外側といった箇所が多いので少し警戒が必要だ。

モデルイベントにて

モデルイベントにて

しかし観光客で溢れるタリンの街の中を3000人近いおじさんおばさんオリエンティアが走り回る。いつものことだけど日本じゃできんだろうなぁと思いつつ、でもなぜできんのだろうとも考えてみる。

午後は決勝が行われる旧市街をやはり散策しイメージを高める。2008年の長期遠征の時に1日だけ遊びに来たことがあるので、ふとした瞬間に「あ、ここ通った」と既視感を得らる。脳の古い部分が刺激されるようで意外と心地よかった。

タリンの街並み

タリンの街並み

夕方は郊外のソングフェスティバル広場にて開会式。選手全員参加するわけではないけれどそれでも1000人は超えているだろうか。なかなかの賑わい。開会式は簡単なもので、市や大会組織のトップのあいさつ、選手宣誓、民族舞踊によるおもてなし、といったところ。しかしボランティアに参加しているのは若い人が多い。オリエンティアばかりでもないようでほとんどが大学生のように見える。しかも女性が多い。そして驚くべき美人度数。

イベントセンター前に集合

イベントセンター前に集合

開会式のパレード

開会式のパレード

開会式

開会式

大会には42カ国3488人が参加

大会には42カ国3488人が参加

8/7
いよいよレース。今日はスプリント予選。15分程度のレース1本だけである。世界選手権なら午前予選、午後決勝の慌ただしいスケジュールになるのがスプリントだが、このまったり感はマスターズっぽくてよい。ただそののんびりする空き時間が1人旅だとちょっとつまらない。やはり家族なり友達なりと一緒に参加するほうがマスターズとしては楽しめるだろうなと思う。

ゼッケンの裏側に緊急連絡先を書く

ゼッケンの裏側に緊急連絡先を書く

予選とは言っても半分より上になればA決勝に進める。過去の結果を見る限り、35Aクラスは世界選手権に出られるような選手が数人参加し、そのトップ陣の130%で走れていれば十分予選通過可能なようだ。しかも今回のスタートリストを見ると現役代表レベルの名前は見かけない。まぁ普通にやれば通れるはずだ。

スタート前に敷かれた鉄板で金属ピンをチェック

スタート前に敷かれた鉄板で金属ピンをチェック

もちろんオリエンテーリングの本場スカンジナビア半島すぐそばでの開催、名こそ知られていなくてもめちゃくちゃ速い選手はごろごろいるのでなめてかかることもできない。こういう雰囲気の中でどういうレースをすればよいのかは悩ましいところだが、今回は割り切って予選の走りをした。というのも久しぶりのレースなので、ばたばたとがむしゃらに走るよりは、スタートまでの手順、レース中の手続きなどを1つ1つ思い出しながら進めたほうが翌日以降の結果によい効果があるだろう、と。

続々とフィニッシュ

続々とフィニッシュ

大型ディスプレイに流れる速報

大型ディスプレイに流れる速報

誰もが主役になれる大会

誰もが主役になれる大会

コースはオーソドックスなパークOスプリント。細かなルート取りを要求する箇所はあっても、あんまりトリッキーさはなく、ミスなく進む。14-15の誘導が地図上では建物の中の回廊のような表記になっているが、実は完全に建物(美術館)の中になっており、床に貼られたテープに沿って走るというパートだった。しかも普通に開館しており受付や事務所の前を走っていくなかなか衝撃的なコース。最後は陸上トラックに戻って来てフィニッシュ。結果は第2ヒートで7位だった。決勝上位10人はスペシャルゼッケンをもらえる(M35Aクラスは2ヒートなので各ヒート5位以内ならスペシャルゼッケン)のだが、もう15秒くらい届かなかった。無理をすれば届かないタイムではなかったが、決勝に向けては今日くらいのパフォーマンスで走れたほうがよかっただろうと思う。明日は旧市街地での決勝。楽しみ。

(マップをクリックするとルート図)

(クリックするとルート図にリンク)

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