OMM 2016(UK)遠征記 その3

起床
思いのほかよく眠れる。僕たちは2日目は6:30からスタートできるので、5:00に起床することに。が周りはまだ就寝中。着替えて、湯を沸かし、水で戻しておいたペンネを温め朝食を食べ始めたのが5:30頃で、このころになって周りのテントにも明かりが灯される。バグパイプのパフォーマンスが始まり、ほとんどのチームが起床。

6:00にはテントの片付け、荷造りを始める。JAPANではごみ持ち帰りなのだが、こちらではゴミ箱があり、みんなそこに食料品の袋などを捨てていく。地味に軽量化が図れる。中には地図を捨てる人さえいる。確かにルールでは2日分の地図を持っていないと失格とは書かれていないし必要はないのかも。宝の山じゃ~と地図を漁ってみたが、どれもエントリークラスのDコースばかり。きっと初心者の人たちがやってられるかと捨てて行ったものではないかと推測する。

前日の様子から水をボトルに750mlだけ持って行き、なくなれば途中で汲む作戦を取る。食料が減った分を考えると前日より1.5kgは軽くなったはず。ただテント等が濡れているのでもう少し重いか。

Class A day2 length 22.2km, climb 1680m, 14 controls


詳しい地図はRouteGadgetに(スマホではうまく表示されないかも。左欄のRouteにチェックを入れれば一部チームのルートも表示可)

△-1
ガウチ先導。分岐が1つあるだけの道を辿るレッグ。まあ出だしのレッグは簡単になっちゃうよね、と余裕のスタートだったが分岐が現れない。距離は十分過ぎている。周りの植生も地図とは様子が変わってきた。手前には分岐がいくつもあった。昨日と同じで地図に描かれていない道だろうと思っていたが、どうやらその中の1つが目的の分岐だったか。ガウチと相談。彼も違和感を覚えるが、しかし道にしてははっきりいていなかったと確信は持てず。とりあえず湖側を覗いてみて道があればわかるでしょうと、湖へ近づいてみると道があり、あったあったと安心し、その道を辿ってそれっぽいところを行くも見つからず。複数のチームもウロウロしている。なぜ~?と思い、ふと対岸に目を移すとどうやらだいぶ手前にいることが分かる。少し手前にいる可能性は考えていたがこんなに手前にいるはずはない。だがその謎解きよりもやるべきは1番へ行くこと。湖沿いの道はやがてなくなるが、同じような目にあったチームが多かったのか、踏み跡ができていて、たしかにはっきりした道に出る。それでようやく1番へ。

あとで見てみるとどうやらスタートエリアが地図上のスタート地点(△)ではなかったようだ。しかしスタート地点までの誘導テープもスタート地点に設置されたフラッグを見た覚えがまるでない。後日イギリスのメンバーに確認したらフラッグはあったらしいのだが、腑に落ちない。10分程度のロスとなる。

1-2
小泉先導。湖沿いの道、あるいは中段の道を使って下から詰めるか、上に出てしまうか。道をできるだけ引っ張ったほうがよいだろうということで中段の道を進む。ガケの下だと思っていたらガケの上の岩という場所で、泣きながら崖の合間を登る。

2付近から1方面を望む

2-3
ガウチ先導。斜面をまっすぐ。これもオリエンテーリング的じゃない?

3への登り

3-4
前半ガウチ先導、後半小泉先導。大きなルートチョイスがある勝負レッグだろう。尾根を進むか道を進むか。2日目ということもあり疲労で2人とも足が重く、移動が楽な道を選ぶ。アタックは問題なし。

スプリットタイムによると妥当なタイムだっただろう。トップのチームは最初のピークを巻き、ひたすらコンタリングするルート。たしかに元気なら速いだろうけど、このときの僕らがこのルートを取っていたらきっと道を使うより遅かったと思う。

4-5
小泉先導。尾根を巻くか尾根を切るか。最初の段階では巻くのがよいと考えたが、ガウチはまっすぐを主張。たしかに巻いてもペースが上がるわけではないなと真っすぐを選ぶ。もうナビゲーション的には難しさを感じない。

かなりうまく行った自信があるが、トップと6分差。レッグ長は1kmである。

5にて(写真提供:村越さん)

5-6
ガウチ先導、途中で小泉先導。う~ん、レッグとしては面白くないと思う。6なしで5-7のほうがよいのでは?

6-7
小泉先導。少しルートチョイスはあるけど、これもオリエンテーリング的ではないか。最短距離を狙って池の右に出てアタック。難しくもない。

7-8
小泉先導。ここも最短距離を狙い、谷を下り、森の北端から登り返し。ここの登り返しが辛かった。

トップチームは最初に南の谷を下りるルートだった。最初の登り返しが少なく、道を使えるメリットはあるか。

8-9
ガウチ先導。最初のピークを西にかわし、柵の北東の角から尾根を1つ越えた先の谷の先端。ガウチは前半より元気さが戻ってきたが、逆に僕はペースが上がらず。性格の差かもしれない。

9-10
前半小泉先導、後半ガウチ先導。ここは前半でルートチョイスが分かれそうだ。尾根を行くか、南にトラバースするか。当初は距離と登りを勘案して最短距離を狙った尾根ルートと思っていたが、風が出てきたこともあり、高いところを避ける南周りのルートに変更。トラバースは快適であったが、尾根線に上がるところがなかなかハードだった。

柵のある鞍部から10番手前のピークまでは見晴らしもよく気持ちよく下れる素敵な場所だった。きっとここで気持ちよくなってもらいコースの印象を良くしようというOMMらしい配慮ではないだろうか。

10-11
小泉先導。これもあえて11がある理由は不明だ。10-12でもよさげ。

11-12
小泉先導。最初は踏み跡がある想定で川を下るルートだったがはっきりした場所がなく大変そうだったので、白抜きのいかにも行けそうに描いてある場所を狙う。もしそこもダメならぐるっと道周りしかないなと思うも、白抜きされている切り開きを進め到着。

12-13
ガウチ先導。いよいよ最後となりガウチのペースが上がる。しかし僕はかなりいっぱいいっぱいで道ではついていけなくなりそうになる。切り開きが伸びている東側のクロッシングポイントへ進み、西側のクロッシングポイントへ横移動、そこから切り開きを辿っていく予定だったが、なんだか切り開きがいろんな方向に伸びている。こっちが近そうだというところを辿っていくとだんだん細くなり、最終的には森に戻ってしまい現在地が不明瞭になる。しかもこの森、枝打ちされていない進みにくい森で一瞬途方に暮れるが、まあとにかく北北西方向に進めば切り開きに出るでしょうと頑張る。なんとか切り開きに出て、遠くに見える傾斜の段差から現在地を特定し、10へ伸びる切り開きを見つけ、アタック。

13-14-◎
もうあとは道を辿るだけ。2日目は1日目より45分短いタイムでゴール。距離の短さを考えると無難なところか。

ゴール!(写真提供:村越さん)

しかし2日目の成績は1日目より悪く8位。1日目数分差で競り勝ったチームに2日目は数分差で競り負けている。2日目トップは、1日目1番で1時間さまよったチームが本領発揮しダントツ抜け出す。おかげでトップ比も低下。

2日間の総合成績では7位。現地に出ていた成績では6位で前後とは30分離れていたのでどうあがいても順位は変わらなかったねと2人で納得したものだが、公式成績では11分差で1つ上にチームが入っていた。11分をひっくり返すチャンスはあったと言えばあったけど、でもまぁタラレバの話。思っていたほどの結果を残せなかった、というのが正直なところ。しかしOMM、いきなり出て結果を出せるほど甘いイベントではない。そういう意味ではよくやったほうではないかとも思う。

レース後:
疲労困憊になるかと思いきや、そこまで重度の疲労感はなく、まだ明るいうちに元来たメンバーでグラスゴーへ向かい、ホテルでは早速仕事の打ち合わせなどをしながら打ち上げ。翌日には日本に向け出発。短い遠征だった。時差ボケもあるんだかないんだかよくわからないうちに終わってしまったが、少なからず影響はあるのだろう。でもこのレースのために1週間の時間を空けてしっかり準備するためには毎週イベント運営となる秋のスケジュールを見直すところから始めなくてはいけない。(続く)

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