OMM 2016(UK)遠征記 まとめ

2日目のコースにて(写真提供:村越さん)

あらためて成績を振り返っておく。

Class A
DAY1 length 27.6km, climb 1800m, 10 controls
top 5:57:04 / us 6th 7:00:11
pace 15’12/km(*9’13/km), %top 117%

length 22.2km, climb 1680m, 14 controls
top 4:32:12 / us 8th 6:17:16
pace 15’12/km(*9’40/km), %top 139%

Combined
top 10:39:24 / us 7th 13:17:27, %top 125%

(*登り100mを1kmとして距離に加算した場合のペース)

2日目のほうがアップ率が高いのでペースが落ちるのは仕方ない。ただ、登りを水平距離に加算したペースでも2日目の方が悪く、さらに1日目の方がミスが多かったことを考えると2日目にはだいぶ疲れの影響があると思われる。

参考までに昨年出た柳下・山田チームがEコースを走ったときの登りを水平距離に加算したペースは、完走した1日目のコース(40.8km, climb 3390m)で8’03/km。単純には比較できないが彼らに比べるとだいぶペースはゆっくりだった。

2日間のトップ比は奇しくもオリエンテーリングの世界のトップとの差に近い(優勝チームは1日目で盛大にやらかしているのでより高いパフォーマンスを発揮した可能性もあったが)。ただオリエンテーリングに比べまだまだ改善の余地はあるので2回、3回と経験を積めばもう少しよい結果を残せるだろう。あんまり時間が経ってしまうと年齢による衰えが始まってしまうが。。今回はけがの影響が少なからずあったのでベターなコンディションならばさらに上積みはできるはず。

ナビゲーションについてはあまり問題はない。序盤の入りさえ注意すれば地図にはすぐに慣れる。コース取りもルートガジェットで過去のルートをもう少し研究すればよりよくなりそうだ。でもそれは基礎的なナビゲーションが身についていることが前提なのでJAPANのコースで苦戦しているレベルだと難しいだろう。

キャンプについては今回はマイルドな環境だったようだが、ノマディクスから提供されたOMMの軽くて防水ばっちりなアウターと北欧仕様のnonameのインナーのおかげもあって、もう少し過酷でも耐えられるように思う。

結局現状一番の課題は体力面。よりペースを上げるためには荷物を軽くするという余地があり、水を減らせばだいぶ軽くすることができるので即効がありそうだ。より追及してトップチーム並みに減らすには、食料を減らすか、既製品に囚われない徹底したウェイトカットが必要だ。個人的には食料はがんばるための明日への糧なのであまり減らしたくないのだが。

いずれにしてもデコボコの荒野を進み続けるパワーとそれを持続するためのスタミナが必要で、それは速く走り続けるためのスタミナとは違う種類のものだ。でもこれって北欧のテレインを速く(早くではない)走るために必要なものだから、これからオリエンテーリングでより高い場所を目指そうとしている選手ならば自分を試すよい舞台かもしれない。

タフさと小縮尺の地図への対応という点では海外で活躍するアドベンチャーレーサーにも分があるかもしれない。トレイルレーサーだと誰でも結果を残すのは難しいだろうけど、トップの人たちがこのレースに出てどのくらいのパフォーマンスを示すのかはとても興味がある。

パートナー選びについては、似たようなタイプの2人であることに当初は心配もあったが、しかし2人ともナビゲーションができることは結構重要だと思った。ナビゲーションが簡単とは言ってみたが、しかしぼーっと走れる区間は少なく、常に進路は気にしなくてはいけない。長丁場のレースなのでずっと1人でナビゲーションし続けるのは結構しんどい。お互い交代しながら頭を休める時間帯があったほうがレースをうまく進めることができると思う。細かなルート取りまで含め一切を任せることができたガウチにはあらためて感謝したい。

本来の目的であるOMM JAPANのコース設定という意味では、一部のレッグでは確かにルートチョイスの面白みがあったが、すべてがすべてそうではないし、オリエンテーリング的なレッグも多いし、なんだJAPANも頑張っているじゃないかとは思う。でも一方で移動に要する時間とナビゲーションに要する時間の比率でいえば、JAPANはたしかにまだまだオリエンテーリングに近いのかもしれない。そういう意味ではよりOMMらしいコースにしていくことはできそうだ。

冒頭であまり気乗りしないなんて言ってみたが、レースに出たらやっぱり楽しんでいたし、ゴール直後はもういいや、と思っていたのが、少し時間が経ってこうやって振り返ってみるともっとよくできるはず、またやってみたいと思うのだから、やっぱり地図と山と競争が好きなんだろうな。渡英にご協力いただいたOMM関係者の皆さんにも御礼申し上げ、OMM遠征記を終えたい。

ゴール後にて(写真提供:村越さん)

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