田舎の生活その65

川根本町はお茶の季節になった。緑がまぶしい。

川根エリア(現川根本町と島田市の一部)で採れるお茶は川根茶と呼ばれ、高級ブランドとしてお茶好きには有名。黒潮が運んでくる暖かい空気と南アルプスから吹き降ろす冷たい空気が大井川を行き来することで、お茶処静岡でも他の産地以上に寒暖差が大きくよいお茶が育つ。お茶の色は薄めだが、とても甘みのある味で、僕自身こちらに来て飲んでみてお茶の味の概念が変わるくらいおいしいものだった。

その歴史は、鎌倉時代に静岡出身の聖一国師が中国より持ち帰った茶が安部川流域に広がり、それが大井川流域にも伝播したと言われる。江戸期には年貢として納めていた記録もあり古くからこの地域の特産品だったようだ。明治期以降は貿易品としても重宝され、戦後になって耕作面積は倍増したようだが、昨今は過疎化と高齢化もあって耕作放棄地が目立つようにもなりつつある。地域産業という点からも景観という点からもこのままだともったいない。とにかくお茶を飲んでもらえればなぁと思う。

昨今の日本はすっかりコーヒーブームだが、健康志向もあって世界的には日本茶に再び注目が集まっていると聞く。なにより健康長寿日本一の町とも言われる川根本町、その秘訣はお茶にあるとも!?

お宅の茶の間にてぜひ一度川根茶をご賞味いただきたい。

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