WOC2018 in Latvija ④

大会が終わりすっかり時間が経ってしまったが、今大会に向けた準備とレースについてまとめておきたい。

まず準備について。最初に書いた通り、いつから大会を目指し始めたという明確な境目はない。毎年やっているように12月から身体を作り始め、春夏のレースにターゲットを置くというサイクルのなかで今年は8月上旬のWOCにフォーカスしようと思い、スケジューリングした。

昨年11月に足の指を骨折してしまい、それが完治したのが1月上旬。本来より1ヶ月以上遅い鍛錬期入りで、出たいのはロングだが、狙うならミドルと想定し(+リレー。スプリントは当初から考えていない)、冬の間はそれに合わせたトレーニングをしていた。

正直に告白すれば、他の選手のパフォーマンスを見て、この時の状態で代表に選ばれるという自信がまったくなかったのだ。しかし来年狙いますと言える程余裕のある身でもない。まずはミドルで結果を出せるように狙っていくのがアプローチとして適切だろうという判断だった。

途中のターゲットは4月の代表選考会と6月の全日本大会。4月までのトレーニングは例年に比べれば順調であったが最低400kmという目標はほとんど達成できなかった。しかし森を走る距離は長く取っていたし、昨年までに比べても走れるようになった感覚があり、自信を得ることはできていた。

12月 305km / 01月 396km / 02月 370km / 03月 418km
平日のトレーニング:300×20、400×10-20、1000×7-10、オリエンテーリング(コンピ、直進)

予定していたKOLC大会が雪で延期になってしまい、今シーズン最初のオリエンテーリングレースがいきなり代表選考会になってしまった。身体の動きは緊張でとても硬かった。ホームアドバンテージのあるテレインだったことに救われた感もあるが、パフォーマンス自体は悪くなく、選考を通った。大体イメージ通りの体に仕上がっていたのでチームの中でも最初は予定通りミドルを希望した。

04月 387km / 05月 448km / 06月 351km / 07月 246km
平日のトレーニング:500×20、1000×10-14、オリエンテーリング(3-4km)

次のターゲットは6月の全日本。全日本はロングディスタンスだが、国内のロングは世界のミドル+α程度なので、ターゲットに合わせてトレーニングを積んでいれば十分対応できるだろうという計算であった。KOLC大会、代表合宿、東大大会など例年不足しがちだったレース形式の練習を踏み、実戦感覚も掴む。

迎えた全日本。予想に反し、予告された通りの100分想定、実際は115分以上かかるという長いレースになった。身体がその長さ(暑さ)に対応していなかったが、しかしその割には悪くない結果だったな、もう少し対策をしておけば十分対応できるだろう、という感覚を得た。最初にも書いたが来年ロングを目指すと言って計画通りに目指せる保障はない。対応できるなら純粋に出たい種目をと思い、希望を変え、その希望が叶うこととなった。

予定外だったのは全日本でやった足首捻挫で思ったよりも治りが遅く、暑くなる前にもう一度しっかり距離を踏みたかったがそれが叶わなかった点だ。完治した7月中旬には酷暑となり、大会も近いことから無理して走り込まず技術確認とコンディショニングを目的としたトレーニングを中心とする。

そしてラトビアへ。現地では2週間の滞在。世界選手権単独の遠征としては比較的長い期間だったが現地でやったことは過去になく少なかっただろう。地図は日本でも研究できる。そしてこれまでのヨーロッパの森での経験と、今回のテレインが日本の森に似た地形だったこともあり対応には苦しまないだろうという自信があった。現地で森に入ってみてもその通りだったのでとにかくピーキングを重視してゆったり調整を行った。日本でも報道されているが今年はヨーロッパも暑く、疲労を貯めないという点でその判断は適切だったと思う。

ただロングに出る上で、かなり長めのルートチョイス練習は実際にやっておきたかったと今になって思う。地図上の研究だけではなく実際に現地を走ってみないと掴めない感覚がある。しかし大会直前にそれをやるのはなかなか勇気がいる。ベストな状態を作るためにはやはり事前のトレーニングキャンプが必須であろう。

8/1 出国・現地着
8/2 am移動 / pmロングタイプのテレインでオリエンテーリング(1:15)
8/3 am7月に開催されたWOCテストレースのコースをレースペース+ジョグペースでオリエンテーリング(0:50) / pm ミドルモデルイベントの地図でテレインウォーキング(0:20)+テクニカルモデル
8/4 amスプリント予選応援 / pmジョギング(0:30)+開会式
8/5 amレスト / pmウォーキング(1:00)スプリントリレー応援
8/6 amミドルモデルイベントをレースペースでオリエンテーリング(0:35) / pmレスト
8/7 amミドル決勝応援 / pm宿舎移動
8/8 amロングモデルイベントをレースペースでオリエンテーリング(0:50) / pm レスト
8/9 amレスト / pmリレー(0:50)
8/10 amレスト / pmスプリントリレー下見ウォーキング(0:50)
8/11 amチーム内スプリントリレー観戦 / pmロング(2:30)
8/12 チーム現地解散
8/13 noname打ち合わせ
8/14 帰国(15日着)

大会までのトレーニングを振り返ると、最低400km、走るべき時は600kmまで走り込みたいという理想があったがまったく叶わなかったので体力面で差が出てしまうのは当然の結果とも言える。オリエンテーリングの技術練習は週末のレース回数こそ少ないが、平日(の仕事の後)のオリエンテーリング練習はコンスタントにできており、特にここ最近直進の精度が高まっていることには自信を持てるようになった。しかしレース中、ふとしたことで気が緩むなどの問題は実戦経験を踏まないと減らせない面もあり(あるいはレースに代替しうる練習方法の開発)、今後を考えると体力問題とともに課題と言えるだろう。

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