全日本ミドルオリエンテーリング大会2020

Photo by Takuo Mutohさん

11/21-22に長野県富士見高原で開催された全日本オリエンテーリング大会。初めてミドルディスタンス+ロングディスタンスの2日間大会で実施された(昨年もその予定だったが台風でミドルが中止)。ここ最近の目標は2021年5月に予定されていたワールドマスターズで、そのマイルストーンとして重要な位置づけの大会。マスターズはコロナのため延期となってしまうも僕にとっては年に1度の晴れ舞台、重要レースであることに変わりはない。

春以降、大会が中止になったり海外遠征できなかったりとトレーニングプランの練り直しを何度も迫られたがそれはすべての選手に共通することだろう。繁忙期で直前にトレーニング時間を確保できないことも織り込み済み。少なくともフィジカル的なトレーニングは積めてきた自信はあった。不安と言えば体重を思ったレベルまで落とせず、やや重いのが不安要素だったろうか。

準備において一番の痛手はその状態でのパフォーマンス確認含めたテストレースに出られなくなってしまったことで、結果的に自分の仕上がり具合を十分に確認できずメンタル面で不安を生み失敗につながってしまった。コーチングや講習会では「周りを気にせず自分のできることをしっかりやればいいんだよ」と言うくせに自分ではなかなかできない。今後のことも考えるとテストレースではなく違う方法で自分を落ち着かせる術を身につけなくてはいけないかも。

今後の課題が先になってしまったが、1日目のミドルはそんなこともあって重要なレースでもありロングに向けた最終調整の場でもあった。

当日は出張先の朝霧から会場入り。素晴らしい秋晴れのスキー場の会場で2週間前のOMMのような雰囲気も感じる。ミドルは待機時間も長いので会場で用品販売をさせてもらいながら時間を待つ。

ウォーミングアップも適度に行え、若手選手のスピードにどのくらい戦えるのか、あるいはまったく歯が立たないのか楽しみと不安を感じながらリフトに揺られ、スキーゲレンデ上部にあるスタートへ。まわりの選手も普段とはちょっと違う雰囲気。緊張感のある舞台に立てたことに喜びを感じた。

スタート。コースレイアウトが読みにくく慎重にコース回しを読み取る。コースを読み取ると中盤の一気登りにンンン?と驚く。とにかく序盤でうまく滑り出したい。1番に集中。

△→1
まっすぐ行くか、道をひっぱるか、途中で森に入るか。いきなりまっすぐはテレインの様子もまだ見えずさすがにリスキーで選択できず。林道を走りながら森は走りやすそうなので途中で入ろうかとも思うも最初は無難に道の曲がりまで引っ張り、斜面上から補足しながらアタック。ほぼイメージ通り。

1→2
短めの直進レッグ。難易度はそこまで高くないはずだが、脱出でハッチのヤブを巻いているうちに方向をずらしてしまったか、歩数を超えても見つからず。斜面の角度からやや南にいることは把握し探すも目に入らず、林道がすぐそばに見える位置まで進んでしまい、そこで高さを把握。下り直して2へ。体感では30秒程度のミスだったが、結果を見ると相対値300%で1分近いロスを計上。

2→5
3、4と問題なく。微妙な尾根の形にもうまく対応でき、よく調査されている地図だと思う。

5は5直前のヤブが細くなっているあたりを狙って左にエイミングオフ、傾斜変換に当ててアタックのプラン。1つめの沢を超えたあと、道のようなものに乗る。地図に描かないレベルの切り開きだったのだろう。しかしレッグ線右の切り開きに乗ってしまったかと慌てて少し左に軌道修正するも、さすがにそれはないはず。状況を把握して軌道を戻す。しかしそこで左にずれたのを修正しきれず7のすぐそばを通るルートを描いて傾斜変換へ。傾斜変換近くに小さな針葉樹の林があってそれに対応しようとして少し無駄な動き。とにかくピークを見つけろや、と周りを見て5にアプローチ。

5→8
6、7と無難にこなすも区間タイムはさほどよくない。地図読みや基本動作の鈍さ、瞬発力の差が顕著に表れているか。

そして一気登りの8。道を回るかと思うも沢や尾根、切り開きを使っていけばすんなり行けるだろうとまっすぐルートを選択。ルート維持は難しくなかったがとにかく林道と林道の間がずいぶん長く感じた。体重のせいかなとがっかりする。

8→12
9は問題なし。10は沢の中の岩石地に入り込みかけてしまいややロスタイムあり。

11は脱出で慎重に方向を定め向かう。道を超えたあたりで目的地と思われる岩石群が目に入るも決めきれずに少し先を覗きに行ってしまう。少し出戻りアタック。ちょっとしたロスだが相対値は130%越え。そこまで差が付くようなロスには思えず一番不思議なレッグであった。

12は下るレッグ。12のすぐそばにも地図に載らない作業道跡のようなものがありややトリッキーだったか。相対的にはよいタイム。

12→14
13は道を走って崖の端からアタック。14はコンタリングしながら1つ目の沢を超え、尾根を越えたところで方向確認。しかし正面に見えた沢を誤認してしまいそっちに入ってしまう。14の沢はもっと浅い。こういうオリエンテーリングマップでしか分からないような地形への対応にはトレーニング不足を感じる。

14→◎
15、16と注意が必要な位置に置かれているが他のコースの選手も集まっておりコントロールに近づくとすぐ発見できる。スキー場を下ってフィニッシュ。

フィニッシュ直後は入賞圏内。今回の出来では入賞も厳しいかもなと思う。最後の方にスタートしたランキング上位の選手も続々とフィニッシュするなか大学の後輩である小牧がぶっちりぎりのタイムで戻ってくるとアナウンス。そろそろかと思う間のなくフィニッシュに戻ってきて優勝を飾った。まさに圧倒する走り。

全日本で後輩に負けるのって10年以上なかったと思う(スプリントではすでに小牧に負けてるけど)。僕は先輩たちがトップで戦う姿に憧れ、今に続くキャリアをスタートさせた。その姿を継いでくれる選手が出てきてくれたと思うととても嬉しく、肩の荷がだいぶ下りた気もする。

そんな僕はぎりぎり6位入賞。今日の出来で6位なら明日はまだチャンスがあるだろうと思う一方、トップを狙うならかなりよいレースをしないと厳しいという現実も突きつけられる。(続く

小牧君と一緒に。長年待った甲斐があったもんだという逸材

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