全日本オリエンテーリング大会2020

スタート前のひととき

前日のミドルに引き続き全日本大会。2日目はロングディスタンスの日本選手権。実は前回王者だが、このレースに出るときはいつも1番を目指しているので心境はいつもと同じ。1番を狙うには単純なスピード勝負ではかなわない、テクニカルでも距離を減らすルートで勝負しようなどと考えつつ、前夜を過ごす。

翌日も快晴。気温は前日よりやや高めか。ウェアをメッシュ生地のものに変更。この日は販売もせず競技に集中。ジェルを2つもち、ウォーミングアップまでしっかり行いスタートへ向かう。前日の疲れもなくよいコンディションで臨めることを嬉しく思う。

表裏両面の2マップ制。ざっと眺める。前半のロングレッグと終盤のヤブエリアが目を引く。1番がテクニカルなためそのくらいの読みでレースに入る。

△→4
1番は右にエイミングオフ。急斜面の切り開きをアタックポイントに。やや右目に出過ぎたがほぼ予定通り。体の動きは固く緊張を感じる。

2番はコンタリングをして登りを削りつつ、ほぼまっすぐルート。レッグ線真ん中の長い崖の端をCPにし、2番下の大きな沢のヤブの角をアタックポイントに。アタックポイントまではほぼ予定通りも2番のあるれき地の境を見誤り北に50m弱行き過ぎてしまう。区間タイムが早い選手は最後の谷をコンタリングしてアップを避けている選手が多いので(フラッグも見つけやすい)、そのロスも含めて1分弱のミスタイムを計上。

3、4とショートレッグ。ナビゲーション上の問題はなく、順調な滑り出しを感じる。先行してスタートした選手数人に追いつく。身体の緊張は解けてくる。

4→5
前半の勝負を決めそうなロングレッグ。上位選手は林道を左に大回りするルートだったが、レッグ線中央の救護所からほぼ道走りのため、そこに出るまでをどうするか考え、山を越えるルートを選択。コンタリングで北東の沢に入る。まっすぐ救護所を目指そうかと思っていたが、微妙な凹凸や不整地の距離を避けるなら切り開き(上図赤矢印)を使うべきかとやや上目を目指すもやっぱり上過ぎると軌道修正、結果ふらふら進路の定まらない中途半端なラインを通ってしまう。
救護所までは問題なく、救護所からは道走り。序盤で一緒になった選手とパックとなり道走りで先行される。きっとそのうち引き離せるだろうと気にしないようにする。大きな立入禁止エリアの先端あたりで道の乗り換え。レッグ線にかかる道に乗りたかったがうまく見つけられず1本上(東)の乗ることに。結果的には全部道を使って行けることになったが、登る分ロスが多かったか。
区間トップから3分近く差をつけられるタイムに沈む。

5→8
5、6はそれほど難しくないショートレッグで無難にこなしたほうだろう。

8はまっすぐ行くか道を使うかでその中間の切り開きを使うかでルートを検討。結果、アタックも沢を下るだけの林道ルート。8の岩石群を少しスルーしてしまい後ろを振り返ったところでボブの姿を捉える。4分後のスタートで追いつかれた。このとき4-5はそこまで大きなロスをしているとは気づいておらず、またこの時点でも序盤で一緒になった選手を引き離せておらず自分の調子が良くないんじゃないかと思ってしまう(実際にはルートチョイスミスが大きく響いているだけで調子は悪くない)。それでも気持ちは保てていて、ここからの逆転もありうる、がんばろうと奮い立たせる。

8→12
9は尾根に当てるだけの簡単なレッグに見えたがヤブが濃くて難しかった。周りの選手の目も使って対応。

10はレッグ線にほほ平行に走る切り開きに乗りたかったが林道に出る所で北に出てしまい戻ろうか考えたところで昨日のミドル7-8と同じラインに乗れることに気づきそこを使うことに。昨日と同様登りが遠く感じるが先行されたはずのボブに追いつけ気を取り直す。

11、12とボブが見えたり見えなかったり。12の給水で補給している間にボブは見えなくなる。やっぱり調子が良くないな、体重が重いせいかしらと戦うメンタルを削られる。さらに給水補給に夢中になり危うく12をパンチし損ねるところだった。地図は裏面2枚目へ突入。

12→14
そんなわけで今回唯一区間トップを取れた12-13だが、給水タイムを11-12に計上しているところも大きいだろう。道を走って道の先からアタック。大きく浅い谷の中の岩。谷の上側をコンタリングして13東のクリアリングをターゲットにして13に寄せていく。

14は谷底の中のヤブ付き尾根の谷分岐までまっすぐ。そこからコンタリングして斜面の角度が変わる位置にある崖を目指そうとするも切り開きに惑わされて現在地が把握できなくなる。最終的には一番奥の切り開きまで行ってしまいそこでようやくリロケートしアタック。

14-15
プランとしては2番で使った長い崖をたどり、その先端からアタック。
途中で序盤から一緒だった選手に遭遇。14のミスで抜かれていたことに気づき、結果に対する諦めに近い感覚を覚え、集中力が削がれる。
そんな状態で崖の先端だと思っていたところは既に2つ目の崖の先端で15はすぐ目の前、のはずなのにまだ先だと思って行き過ぎてしまう。そして目に入った林道下の崖に吸い寄せれてフラッグがないことに気づき大きなミスをしたことに気づく。リロケートに手間取り、傾斜変換上に出たところで林道の近くであることを把握し再アタック。伊藤樹ら何人かが脱出していくのを横目にパンチ。

15-16
樹君はだいぶ後ろのスタートだった気がする(後で聞くと彼は僕に追いつかれたと思ったらしいが)。彼は優勝できるかもしれないな、同じ静岡県チームのメンバー、がんばれと思いつつプラン。
5までのロングレッグで使ったラインに近いのでコンタリングで大きな谷まで抜けて防火帯の先端をターゲットに藪の右側に回り込んでアタックしていくプラン。
脱出直後には姿が見えなかった彼らの姿が近づいてくる。近くには有力選手の佐藤遼平もいると気づく。どちらが先行しているかは分からないがアタックで彼らの背中を追える位置まで近づける。ようやく体にエンジンかかったか。戦う気持ちが持ち直す。

16-20
17は下りレッグ。彼らのスピードについていけないかもと心配していたが意外にも下りで一気に追いつく。フォロワーとしてのアドバンテージもあっただろうが17は先に取ったような気がする。
脱出で遼平君にあっさり先行される。地図読みスピードが遅い。18までは基本コンタリングでやぶの近くまでアプローチするのは容易。が彼らとの競り合いに夢中になりコントロール位置の読みが甘く、岩だと思いこんでしまっていて明らかに違う隣接コントロールまで覗き込みに行ってしまう。みんなも似たような状況だったかウロウロしていて、佐藤やや先行、伊藤、小泉の順で次々にパンチ。
19は昨日と同じ。ここで樹くんが先行し、僕がすぐ後ろについてそのままの隊列で20へ。

20-23
ここからスキー場一気登り。あっさり引き離されるだろうと思っていたが2人も辛そうであまり差がつかず。誘導途中の給水はコップが袋に入ったまま、ひねっても水が出ないという状況で2人は水を諦め先に行ってしまう。僕はなんとしてでも補給せねば最後が登れないと思い水を飲もうとするも机は倒れるは水は出ないは散々。自分の関わる大会でも無人給水はよく使うがこれは再考せねばならんとぶつぶつ言いながら数滴垂れた水でジェルを押し込み机を直してリスタート。せっかく見えていた2人の背中はもう消えてしまう。

誘導終わりからきれいな公園の中を進み、見晴らしよさそうな場所からトレイルに入る。柵を超えたところで21にアタック。

22まではレッグ線やや南の白いエリアを進み22手前の大きな谷に入ればアタックは容易。その通り進むと遼平君の背中が見えてくる。追いつけた!

23は登り。右手の谷に沿って登りコントロール円のかかった岩を捉えてから確実にアタックのプラン。どうやらその岩につられてミスった樹君の姿を見つけ追うようにアタック。またも3人一緒となる。

23-◎
24は最後のテクニカルなレッグ。みんな方向はばらばらだったかな。樹君は右方向、遼平君は左方向、僕はほぼまっすぐ。到達するのもほぼ一緒。途中、だいぶ疲弊したボブを抜き返し、順位を1つ戻せるチャンスと気力が湧く(結果的には巻き返せなかった)。

25は伊藤、小泉は白と緑の境界線上の道を使い、佐藤はレッグ線南の道へ。北組は僕が先行。しかし私有地内に建設中だった建物に気を取られている間に道路まで出てしまいヤブを切って戻る。その隙に2人に先行される。

あとは道を走って最後の登り。望みある2人は最後の力を絞っての力走。じりじり離される。だけど思ったより離されない。この2人に対してこれくらいの差で済むなら意外とまだまだ走れているじゃんね、と思いながら淡々とフィニッシュ。

Photo by noraneko2020さん

姿を見ることのできなかった小牧君は既にフィニッシュしておりその時点でほぼ優勝確定。後輩に2日続けて敗北し、その彼が2日続けて優勝してくれた。年代が違うというよりは時代が違うというくらい歳の離れた先輩としては自分の結果など放っておいて嬉しい気持ち。

そして帰ってきた僕を静岡オリエンテーリングクラブの仲間が出迎えてくれて、レースはどうだったとか、コースを見せてとか、いつもの全日本大会とはちょっと違う雰囲気を感じた。周りをよく見ると天気のよさも手伝ってだろうが、いつもより多くの人がエリート選手のフィニッシュを応援してくれている。プロデューサーの西村君も言っていたが、表彰式にも例年より多くの人が残ってくれていた。コロナ禍でオンラインミーティングなどが増えて、クラブの仲間やトップ選手に親近感が生まれたからだろうか。何年も続けてきた全日本改革の成果の表れだろうか。いずれにしても大会の位置づけが変化しつつあるのを感じられる光景だった。プロデューサー2年間お疲れ様でした。

Photo by mabuchiさん

結果は10位。タイムを細かく見てみると、もう少し自分をうまくコントロールしていればもっとよい勝負をできたのにという悔しさもある。しかし当面目標となるレースもなく悔しさを晴らす場もない。しばらくは自分と向き合う時間にしようかと思う20回目の全日本M21Eとなった。

何はともあれこの大会に出られ、自分だけに集中できる贅沢な時間をいただけたことに感謝。


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