全日本選手権2014 スプリント・ディスタンス

今年度最初の全日本選手権、スプリントディスタンスが終了した。このレースは朝霧ナヴィゲーションパーク記念大会として、1日目にスプリント選手権、2日目のロングディスタンスのJOA公認レースが開催された。
朝霧ナヴィゲーションパークとは、当地にある朝霧野外活動センターがロゲイニング、クイックOなど各種ナヴィゲーションスポーツを実施してきた経験を糧に2013年より「朝霧高原ナヴィゲーションパーク構想」を企画、各種ナヴィゲーションスポーツイベントを提供すると同時に、同センターのプログラムとしてもこれらの ナヴィゲーションスポーツを普及・展開していく構想を広く世の中に広めるために企画された大会である。僕自身もここ数年ロゲイニング運営に携わらせてもらっており、この大会の2日目のロングディスタンスは競技責任者・コースプランナーとして関わっている。
当然スプリント選手権も運営をしないかという声はいただいたけれど、昨年2位に終わり、また唯一取れていないスプリントの日本選手権をどうしても取っておきたくて、職場の1つであると言っても過言ではないこのホームテレインであればこれまで以上に勝機もあるだろう、なによりいつもお世話になっている朝霧野外活動センターの人たちに僕が走って勝つところをお見せしたいという想いから、2日間大会の運営をずいぶん非効率にさせることも承知しつつ、無理を言って走らせてもらうことにした。
とは言え若手選手がグイグイ伸びてくるスプリント選手権に勝てるという保証はあまりない。シーズンを通して一通りの準備はしてきたが、秋になるまで勝てるという自信はなかった。しかしアジア選手権のスプリントスプリントリレーにて思いのほかよいパフォーマンスが出せたことで自信をもち、今年はやはり最大のチャンスと思えるようになった。
そうなってくると懸案なのは1週間前のハセツネ。ロングの選手権が翌週に控えていれば今年もハセツネをスキップしただろうが、スプリントである。けがにならないよう気を付ければ支障はないだろうと思いエントリーしたものの、果たしてどうだろうかという不安がハセツネ前には高まった。ハセツネの翌日はやはり出るべきではなかったかと後悔するレベルの筋肉痛であったが、2日目の夜に回復の兆しを感じる。この感覚であれば翌週には3kmフルスピードで走れるようになるだろうと経験的にわかり、これはとてもエキサイティングな挑戦になるぞとさえ思えた。
むしろスプリント翌日のロングレースの設置を1人で行う計画を立てたことをやや不安に思うが、冷静に計算をする。66コントロールを2日に分けて行うので、1日33個。4時間ずつ動くとして1時間8個つければよいのでそれはとってもイージーなオリエンテーリングで済むじゃないか。ハセツネにしても、これにしても、若い時分ならとてもベストコンディションに持っていけないとその時点で負けを決めつけていただろうが、自分の身体をよくわかってきたというのか、経験があらゆる問題を解決してくれるようになったのか、自分でもずいぶん人が変わったなと思う。
そして迎えたレース。秋晴れのよい天気。予選もいつもどおりしっかりと走りトップで通過。まだまだペースは上げられるという余裕もあり、個人的にはとてもよい気分で決勝を迎えられた。ここでも一昔前なら、結果を出すことに意識を持っていかれ、十分なパフォーマンスを出せないまま終わっただろうが、とてもよく集中できていたと思う。
決勝。順調に序盤をこなし森の中へと入っていく7番コントロールの脱出でヤブが右目がこする。あっ、と瞬いた刹那、コンタクトが外れる。しまった、と思う。だけど右目は視力がよいほうだ、大丈夫だと言い聞かせる。実際、ルート取りや走りに問題はなく進める。
地図交換でリードしているという声を聞く。直後の17-18でルートチョイスを誤る(誤ったと気づいたのはゴール後)。前を走る選手の姿が目に入りベストルートを決めるという判断ができず後追いしてしまう。しかし再び1人旅になり、リズムを立て直し走り続けられる。
ラストコントロールが目に入る。観客の中から「来た」という声が聞こえる。まだチャンスはあるのか、フィニッシュまで全速力で走る。一瞬の静寂、そして拍手が沸き起こる。ただしその音は自分の方には向けられていないように感じる。速報画面を見ようと振り向いたより先に谷川が喜ぶ声が耳に入り、敗北を悟る。
10秒差。タイムだけなら昨年よりさらに3秒の差が開いてしまったのだから完敗。ルートチョイスをミスらなければ、コンタクトが外れなければ、体調をもっと整えていれば、そんな話をするのはまったく無意味。なぜいつもつけているアイグラスをこの日に限ってつけなかったのか、なぜ自分でルートを選ぶという行為を徹底できなかったのか、ただただ自分のここ一番での至らなさが残念で仕方ない。
これで全日本選手権は4レース連続で銀メダルとなってしまった。もう銀メダルはいらない。男子選手の誰かが全日本の金メダルを4つとも揃えてしまった瞬間、スプリントへのモチベーションは消え去ってしまうだろう。しかしチャンスが残っている限り、その栄光を目指したい。
20141018japansprint


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