第45回全日本オリエンテーリング大会

4月14日に栃木県日光市で開催された第45回全日本オリエンテーリング大会に出場。最上位クラスのM21Eはロングディスタンスの日本選手権をかけたレースでもあり、結果は5位入賞であった。

平成最後の大会ということで昨今の流れに乗って過去の記録を振り返ってみると、日本選手権には大学4年(つまり最後のインカレ直後)だった2001年度大会より出場して以来18回連続出場で10回目の入賞となったが、5位という数字は初めて。

前回は準優勝、今回もあわよくばという内容だったので「残念だったね」という声をいただくこともあったが、僕としては「まさか入賞できるとは」という驚きのほうが多く、よくやった結果だと受け止めている。

昨夏の世界選手権に出場した結果、2021年のワールドマスターズ含め今後世界を目指すならばいい加減スピードアップを果たさなくてはいけないとトレーニングを見直していたが、なかなか成果が出ない。

そして本来は10月に開催される全日本が次の全日本になるはずだったが、スキップされる2018年度大会を開催しようということで今回の大会開催が昨年秋ごろに正式に決まるもスケジュール調整ができず、テレイン練習の機会さえ設けられない。

なんとか月1回のペースでオリエンテーリングイベントに参加できたが、毎回毎回トップと大きな差を付けられる。年齢的な要因もあってかモチベーションは安定しないし体重も減らせない。春が近づいてもトレーニングで示すパフォーマンスは低迷したまま。

直近のレースは地形図ベースのマウンテンオリエンテーリング。しかも悪くないレースだったのに谷川、結城に大差を付けられる。その彼らさえを上回るパフォーマンスでインカレを彩った若い選手たちもたくさんいて、今回は入賞どころか次回の出場権を確保できる10位以内も危ういだろうというのが正直な感覚であった。

ここで出場権を逃せば公認大会で出場権を取り直すのはスケジュール的に難しい。今回で日本選手権は事実上の引退になるかも、とレースの3日前までずっと暗い気持ちに。しかし大切な家族を置いて2日間も遠征するのだ。やれることだけはしっかりやってこようと腹をくくって日光へ。

前置きが長くなったが、前日土曜日
トレーニングコースが用意されていたので40分ほど山や地図の様子を見ながら最終チェック。不安ばかりだったが全日本に向けて出来る調整はしっかりやっていた。疲労感が少ないことは自信を回復させ、自分ができることに集中するきっかけになったと思う。

レース当日
天気は持ちそう。走るにはちょうどよい気候。オリエンテーリング日和。

会場では仲間やお客さんとお話し。レース1時間前にスタートに向かうバスに乗った段階でレースに集中。着いた場所は20年ちかく前のインカレのスタート地区だったがそのときの光景はまったくフラッシュバックせず。ヘッドバンドとアームカバーを忘れてしまった。ウォーミングアップは少な目だった。

△→1
あまり難しさは感じず。最初の尾根まで道を使って、目的の岩が乗る尾根までまっすぐ。特徴的な尾根なのですぐに捉えられ、後は南斜面の岩にアタック、のはずが岩が目に入って来ない。あたりを見ても見つからず1つ手前の尾根なのか?と自信をなくし沢に下るも正面の植生界に違和感。やはり正しいはずと後ろを振り返るとさっきの場所よりだいぶ上のほうにあるフラッグが目に入ってくる。

細かな位置の読み込み不足が直接的な理由だが、それを実現するための序盤のリズムづくりが十分ではなかった。

1→2
いきなりの大ミスに残念な気持ちになるがまだまだ長いレース。しっかりやろうと気持ちを切り替える。レッグ中間の平らな斜面に入って、その先のヤブを抜けてアタック。ここでも最後のアタックは少しぶれてしまう。

2→3
やや長めのレッグ。道をつなぐのが早いだろう。となるとアタック方向は自然と決まる。ようやくロスなくアタックできるが、バタバタした感じからは抜け出せない。

3→4
緩い尾根を乗り越えて行くレッグ。直進練習した成果もあってか無難にこなせる。苦手な登りが今日は調子よく行けていることに気づく。

4→5
アタックポイントはレッグ線と重なる計曲線の尾根。そこからはまっすぐ進めばよいだけ、のはずが周囲の地形に惑わされまっすぐ突っ込めず。南に逃れ、分かるところから再アタック。

1番同様、冷静に対応できれば問題なく行けたはずでリズムの切り替えができていない。

5→6
2つ目の大ロスからの立ち上り。だいぶ致命的だが、そのおかげで結果はもう完全に気にならない。立て直すべくピークまで走って確実にアタック。リズムづくりができ始める。

6→7
アタックポイントは直前の鞍部。その鞍部の右にややエイミングオフするように直進。ほぼプラン通りもアタックで左にずれてしまった。

途中で急に20年前のインカレと同じ光景だとフラッシュバックがあった。

7→8
中央にある道に乗れればアタックは容易。そこに乗るまでがこのレッグの課題か。沢の中では慎重なルートファインディングで無難にこなす。

給水を取る。

8→9
9の右の尾根に当てる気持ちでまっすぐ。2つ目の尾根を越えたところでフラッグが目に入ってきた。

9→10
勝負レッグだろう。事前の地図読み対策でいろいろなレッグを検討した感触からこれは山越えが早いのではと感じ、まず右周りのルートを探る。アタックでの登り返しも左周りより少ないし、今日は登りも調子よいし攻められる、とこのルートを選択。

この辺りまで来るとナビゲーションのリズムづくりもすっかり夏頃の感覚を取り戻しており、途中途中も細かくショートカットして1秒を削るルート取りができるようになっている。

コントロール手前でジェルを補給し、給水。

10→11
タフなレッグだが技術的課題は少ないか。深い沢のどこを切るか、ミクロなルートファインディングで対応。ここまでのミスタイムを考えると2分前にスタートした尾崎に遭遇してしまうかと思ったが姿は見えず。思ってる以上に悪いのか、思っているより悪くないのか。

11→12→13
短いレッグ。見えづらく我慢のレッグ。もう後半戦だが痙攣の傾向もなく調子はよい。13で尾崎と一緒になる。動き的にループを抜けるところのようだ。彼の調子も分からないが、序盤のミスを考えるともっと差があってもおかしくないので意外とチャンスは残っているのかもと少し希望をもつ。

13→14→15→16
淡々とこなす。

16→17
ロングレッグ、つまりルートチョイス。ルートチョイス?自分の取ったルート以外はまったく読めず。でもそれがベストルートだったと思う。

レッグ真ん中付近、道を外れるところでシューズの調子がよく、これはいいシューズだ、ぜひみんなに買ってもらいたい、などと余計なことを考えていたらちょっとルートがぶれてしまう。より直線的に行くつもりだった。

17→18
給水を取る。送電線下の道まで道路を回るかと思ったが、タイムを削ろうと川を下るルートに。が、巡視路手前のヤブに手こずってしまった。しかし攻めた上でのロスなので焦りは生まず。

18→19
ヤブを超えてのアタック。ピークの並ぶ盛り上がりに乗ってしまいさえすれば難しくはないのでヤブの手前でだけ慎重になる。

19→20
最初の沢を右に巻き、まっすぐ。尾根を切るとこはやや慎重に。

20→21
ルートチョイスをする。アップダウンが少なく道を使える左寄りのルートに決定。アタックポイントは手前の尾根の上のテラス。その尾根が横(下)からだといまいち自信を持てず、尾根の先端をしっかり見てから登ったので少しロスがあった。

21→22
道を引っ張る?いやまっすぐ。沢を切る。タイムはよくないので、みんなのルートを知りたいレッグの1つ。

22→23→24→25
コンタリングで道まで出て上からアタックの23、道を引っ張り尾根を詰めていく24、鞍部から尾根を辿ってピークから枝尾根へ乗り換える25。

25はアタックポイントにしたピーク手前の鞍部をアタックポイントにしたほうがより短縮できた。

25→26→◎
あとは走るだけ。意外と疲れていない。自分のことだけに集中できる至福の時間の終わりを惜しみつつフィニッシュ。

写真提供:武藤拓王氏

結果は先述の通り。序盤のミスがなければより上位を目指せた結果だったが、実戦不足に起因するところもあり準備段階で既に勝負は決まっていたと言ってもよい。

優勝した伊藤樹(浜松市出身)とは5分差の完敗だが、ラップ解析上の巡航速度で彼を上回っていることも意外だった。これが夏以降のトレーニングの成果だったのかどうかはもう少し検証する必要があるが、そうなのであれば今後に向けて希望がつながる。

ところで今回の全日本大会は演出面にずいぶん力を入れていて、見ることができれば楽しかったようである。僕は時間的に見るチャンスがなかった。会場にいる人の多くもそこまで熱心に見聞きしている様子はなかったようにも感じる。それでも表彰式は例年よりは人が残ってくれていたか。

前回も関心を集めるのは演出ありきではないと書き、やっぱりその通りかもと思う一方で、演出があることが大会に関心を集めるきっかけにもなるのだからどちらも必要なんだろうと思うに至った。問題は資金繰りか。

ふと思ったが、山の中の映像やトラッキングをうまくまとめてYoutubeなんかにアップして広告料を稼げるようなコンテンツにまでできれば資金面も解決できるんじゃないだろうか。何百万再生とかにならんと難しいのかもしれんが、それを可能にするだけの面白さはあるはず。

それはともかく、短い期間でここまで準備できた運営チームには脱帽。


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